【これで解決】新NISAは移行(ロールオーバー)できない!旧NISAの運用方法と注意点を解説



いよいよ2024年1月から新NISA制度が始まります。
旧NISA口座に預けている資産がどうなるのか、放置して大丈夫なのか、不安な人もいるのではないでしょうか。

新NISAは運用益が永久非課税なのが最大の魅力ですが、旧NISA口座の資産は新NISAに移行できません
今後の資産形成を上手に行うためにも、新NISAが始まる段階で知っておくべきポイントが多々あります。

そこで、この記事では下記について解説します。
  • 新NISA制度では移行(ロールオーバー)の概念がない
  • 2024年から旧NISA商品は移行できない
  • 新NISAに移行できない旧NISA資産の出口戦略
  • 旧NISAを売却して新NISAを購入する際の注意点3つ
本記事を読むと、旧NISAの出口戦略や新NISAで何が変わるか理解でき、より円滑に資産形成ができるようになるでしょう。

損をしないために、ぜひ最後までお読みいただき、新NISAへの理解を深めてください。

※本記事では2023年までのNISA制度を「旧NISA」、2024年から始まる新しいNISAを「新NISA」と表記します

新NISA制度では移行(ロールオーバー)の概念がなくなる 


NISA制度は運用益が非課税になるのが最大のメリットです。

旧NISAでは、この非課税保有期間に「終わり」があり、つみたてNISAは20年、一般NISAは5年、ジュニアNISAは5年でした。
そのうち一般NISAとジュニアNISAは非課税保有期間が終了したら、保有している金融商品は翌年の年間投資枠に移行して、実質的な非課税期間を延長することができました。
この手続きを「ロールオーバー」といいます。

一方、新NISAでは非課税保有期間が無期限になるため、ロールオーバーという概念自体がなくなります。

旧NISAと新NISAの比較表

2024年から旧NISA商品は移行できない

これまで一般NISAとジュニアNISAは、非課税保有期間が終了する6年目に①ロールオーバーができました。
ロールオーバーしない場合は、課税口座(特定口座・一般講座)に②移管するか、③売却します。

残念なことに、このロールオーバーを選択できるのは2023年までたとえば2019年に購入した(またはロールオーバーした)商品は2024年に保有期限を迎えるため、ロールオーバーを選択できません。

2024年以降、一般NISAでは非課税保有期間が終わると自動で課税口座に移管されます。
ジュニアNISAでは非課税保有期間の終了後も18歳になるまで非課税で商品を所有できますが(継続管理勘定)、18歳になると課税口座(特定口座・一般口座)に自動で移管されます。

ロールオーバー制度

新NISAに移行できない旧NISA資産の出口戦略


残念ながら旧NISAから新NISAに資産を移行(ロールオーバー)できません。新NISAでは非課税保有期間が無期限でロールオーバーの仕組み自体がないからです。
そこで、旧NISAの商品はどう管理したらいいのか、主な出口戦略を3パターン解説します。
  • 一般NISA・つみたてNISAは旧NISA口座で運用を続ける
  • ジュニアNISAは18歳まで運用を続ける
  • 旧NISAの資産を新NISAへ実質的に移行する
ぜひ参考にしてください。

一般NISA・つみたてNISAは旧NISA口座で運用を続ける

一般NISA・つみたてNISAで購入した資産は、非課税保有期間が終了するまで旧NISA口座で運用を継続できます非課税保有期間が終了したら、特別口座に移動するか売却するかを選択します。

2024年以降は旧NISAで新規購入できないので、投資したい商品があれば新NISA口座で新規購入します。旧NISA口座を持っている人は、2024年から自動的に新NISA口座が使えるようになります。手続きは不要です。

旧NISAの資産は、焦って売却せずに長期保有するのがおすすめです。 

ジュニアNISAは18歳まで運用を続ける

ジュニアNISAの資産は非課税保有期間が終了するまでは、旧NISA口座で運用を継続できます。非課税保有期間が終了しても、原則として18歳になるまで自動的に継続管理勘定(非課税)に移管されます。
新NISA口座にはロールオーバーできませんが「継続管理勘定」という枠組の中でロールオーバーされ、非課税扱いになります。

なお、18歳になる年の1月1日に、継続管理勘定の商品は自動的に課税口座に払い出され、同時に新NISA口座が開設されます。

18歳未満の方は新NISA口座が作れないので、18歳になるまでは旧NISAまたは継続管理勘定の中で継続運用するのがおすすめです。

旧NISAの資産を新NISAへ実質的に移行する

旧NISA商品の非課税保有期間が終了しても、引き続き非課税で運用したい方は多いでしょう。
実は旧NISA商品を売却して、同じ日に、同額の商品を新NISA口座で購入すれば実質的なロールオーバーができます。

もし売却時の時価が240万円を超えており新NISAの「成長投資枠」を使い切ってしまっても、「つみたて投資枠」を併用すればプラス120万円までは購入できます(計360万円/年)。

旧NISAの売却と新NISAの購入イメージ


こまめに売却して新NISAへの切り替えを進めていき、新NISAの年間投資額を超えてしまう場合は、そのまま保有期限まで旧NISAで運用を続けるのがよいでしょう。いったん旧NISAを売却してしまうと元に戻せないので、旧NISAの非課税保有期間と時価とのバランスに注意が必要です。

旧NISAを売却して新NISAを購入する際の注意点3つ



旧NISAの商品を非課税のまま新NISAに切り替える唯一の方法は、一度売却して同じ日に同じ商品を新NISAで購入することですが、売却時期と売却金額に注意が必要です。

ここでは注意点を3つご紹介します。
  • 旧NISAから直接資金移動できないため、別途新NISA用の購入資金が必要
  • 旧NISAと同じ商品を新NISAで購入できない可能性がある
  • 旧NISA売却時に損失を出さないようにする
是非参考にしてください。

旧NISAから直接資金移動できないため、別途新NISA用の購入資金が必要

旧NISAの商品を売却から現金化までのステップは以下のとおりです。
  1. 売却する商品を選ぶ
  2. 売却する量を金額または口数で指定する
  3. 売却注文する
  4. 売買が成立する(注文した日の申込締切時間内であれば当日、時間外なら翌日)
  5. 売買が成立した日または翌営業日の基準価格で売却額が確定する
  6. 約4~6日後に指定した銀行口座に入金される
このように商品を現金化するまで数営業日かかるため、旧NISAの売却当日に新NISAを購入するなら、別途購入資金が必要です。口数指定方式で売却すると、いくらで売却されるか事前に予測が難しいので、金額指定方式で売却しましょう。

旧NISAと同じ商品を新NISAで購入できない可能性がある

旧NISAと新NISAは投資対象商品が少し違います。そのため現在保有している商品が新NISAで購入できない可能性があります。また、証券会社によっても販売商品が異なります。
事前に利用している証券口座の新NISAで同じ商品が販売されているか確認しましょう。

なお、同じ投資方針、同程度の手数料の商品を購入すれば投資効果に大きな違いはないので、まったく同じ商品を購入できなくても問題ありません。

旧NISA売却時に損失を出さないようにする

NISAは損益通算や繰越控除ができないというデメリットがあります。
  • 損益通算=損失を利益で相殺すること
  • 繰越控除=今年の損失を翌年以降に繰り越し、翌3年間の利益で相殺すること
そのため、旧NISAを売却したときに損失があると、その損失はそのまま反映されてしまいます。
新NISAで同じ商品を購入しても完全に別の制度であり、新NISA自体に損益通算の仕組みがありません。せっかくNISAで運用したのに非課税のメリットがなくなってしまいます。

旧NISAを非課税期間終了まで運用する人が多いでしょうが、期間終了したときに利益が出ているか、含み損になっているかは誰にも予測できません。
ある程度の含み益がでた時点で利益確定して売却するのも、選択肢のひとつです。

新NISA開始のタイミングで金融機関を見直してみよう!


旧NISAと新NISAは完全に別制度です。旧NISAを持っている方でも、手続きを行えば別の金融機関で新NISA口座を開設することができます。NISAは長期投資が基本。この機会に手数料の安い証券会社への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか?
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この記事では、ロールオーバーを中心に旧NISAから新NISAへの移行手順と注意点を解説しました。

新NISAでは非課税保有期間が無期限になるため、ロールオーバーという概念自体がなくなります。
しかし旧NISAを売却して同日に新NISAを購入することで実質的なロールオーバーが可能です。

旧NISAは非課税投資期間ぎりぎりまで運用することが基本戦略ですが、どのタイミングで売却するか、いくら売却するか、その時の市場環境や資産状況を踏まえながらご自身で判断するようにしましょう。

※投資には損失リスクがあります。投資判断は全て自己責任でお願いいたします。
※本記事は公開日時点の情報となります。金融庁やご利用の証券会社の最新情報を確かめていただくようお願いいたします。
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